image

「のどが痛い時は大根おろしに蜂蜜をかけて食べなさい」
祖母から母へ、母から私への教えは、立派な薬膳でした。

中医学セオリー

現代の医学が治療医学なら、中医学は予防医学

正式名称は中国伝統医学

 紀元前に書き記されたとされる中国最古の医学書「黄帝内経」を基盤とした経験医学です。黄帝内経には、人は天と地の間に存在し、いかに自然と調和するかが大事と説かれています。鍼灸やあん摩、易もこの理論を基にしています。

中医学=漢方?

 漢方のルーツは、中医学です。しかし、「漢方」という言葉は日本での呼び名であって、本場の中国にはない言葉。幕末の頃に西洋医学が盛んになり、従来の医学と区別するために、西洋医学を「蘭方」、従来の医学を「漢方」と呼んだそうです。

人間も食物も自然の一部

 人は自然界の中で生活していて、外部環境から逃れることは出来ません。季節が移り変わるごとに、暑さ寒さに適応させるカラダをつくり、晴雨風雪に対応します。それぞれに合わせる術を心得ているのです。

 人間のカラダは、自然万物との調和の上に成り立っています。中医学は、いかに自然にとけこんで暮らすかを追求する医学でもあります。天然物を薬として使い、旬の食物が持つパワーを取り入れ、自然に順応しながら暮らしていくことを重要視しています。

未病を治療

 病気の手前である「未病」の段階で治療を行い、病気にならないようにするのが中医学の最大の目的です。現代の医学が治療の医学なら、中医学は予防の医学と言えます。

中医学基礎理論

陰と陽

陰陽太極図

 このような図を見たことはありませんか?「陰陽太極図」です。

 表があれば裏があり、上があれば下がある―、自然は全て2つの局面で構成されているという考えのもと、カラダも「陰」と「陽」に分けて考えられます。どちらが良いか悪いかという基準ではなく、カラダを正常に保つためには、陰と陽のバランスが必要であり、平衡な状態が望ましいとされています。 

五行理論

 「陰陽」に次ぎ、中医学で重要視されているのが「五行理論」です。

 万物が「木・火・土・金・水」の5つの要素による運動変化で成り立っていると考えられています。

五行理論

 季節や色、方角などもこの五行に当てはまります。

 
季節長夏
方角中央西

中医学的「人間のカラダ」の捉え方

「五臓六腑とは」

 中医学でいう「五臓六腑」とは、いわゆる現代医学で示すところの臓器の役割だけでなく、機能的な意味を含んで「臓腑」としています。例えば、「心臓」というと心臓そのものを指しますが、中医学での「心」は、心の機能に関わる全てのことを指します。現代医学よりも、広域的な捉え方をしていると考えていいでしょう。

 この「五臓六腑」もまた、五行理論にあてはめて考えられています。

五臓六腑

気・血・水

 人間の生命活動に必要な3大要素です。この3つが互いに影響を与え、バランスをとりながらカラダが維持されています。これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調がおこるとされています。

気血水

気

気が滞ると…!

症状:頭が痛む・のぼせる・イライラする・怒りっぽい・不眠など

気が不足すると…!

症状:だるい・疲れやすい・やる気がでないなど

血

血が滞ると…!

症状:肩こり・顔色が暗い・便秘・冷え性など

血が不足すると…!

症状:顔が青白い・貧血・手足のしびれなど

水

余分な水が滞ると…!

症状:カラダがだるい・むくみ・下痢・痰が多いなど

水が不足すると…!

症状:便秘・ほてり・のぼせ・ドライアイなど

五味と五臓の関係

 味と内臓も、下記の図のように連動しています。

 例えば、酸っぱい味が欲しいと思った時は、肝臓がそれを求めているということ。しかし、その味ばかりを摂取していると、逆にその臓器を痛めてしまうことも示しています。

五味

帰経って?

 帰経とは、食物がカラダのどの臓腑、部位に特別な作用をするのかを示したもので、一つの食物で多数の帰経を持つものもあります。

 こういった様々な理論や捉え方に基づいてつくられるのが薬膳料理です。

帰経